上野で次女チャンクと待ち合わせ。
連休で街はどこもかしこも人でいっぱいだった。東京にも活気が戻ってきた!うれしいな。
チャンクは大幅の遅刻で息を切らして現れた。きゃしゃな人が着たらほわっとしたかんじになるはずの服をイカつい肩で着こなして、前髪はかわいい方じゃないイカつい方のポンパドールで。だから見たまんまに「強そうだね」と言ってあげた。するとチャンクは驚いた様子で「そんなに?今さっきも言われたの!」と言って聞かせてくれた。
遅刻で急いでいたチャンクは、大混雑の人ごみをかき分けすり抜け最速で走ってきたそうだ。そしてその途中で呼び込みをしていた店員のでっかい黒人マッスルマンに「ストロ~ング!」と言われたそうだ。チャンクはまさかそれが自分のこととは思わずに、何がストロング?くらいの気持ちでその黒人マッスルマンの顔を見た。すると黒人マッスルマンは今度はしっかりチャンクの目を見て、さらには親指を天に突き立てて、「パワ~!」と言ってきたそうだ。
そんなことって!!すごい!!
ただ走ってただけでそんな面白いことになるなんて信じられない。だからしばらく爆笑した後に落ちついてオレは真相を考えたわけ。おそらく「かき分けすり抜け」はチャンクの嘘だと思う。本当は道いっぱいの観光客たちをすべてなぎ倒して来たんだと思う。
『掌底!』『掌底!』『右フック!』『左アッパー!』『後方右上エルボ!』『後方左下エルボ!』
チャンクは的確に相手の急所をとらえて鬼の形相でやってきたのだ。
それこそが「最速」だ。すべては自分を待っている姉のために。
だからオレはそんなストロン~グな妹を持って幸せだと思おうと思う。
そして当然のことながらその後は一日中げらげら笑いながら連呼した。
ストロ~ング!パワ~!