誰かが大声で何かを叫びながら後ろから迫って来た。ふり返るとリアカーを押して
段ボールを回収するおじさんだった。
「レーリラーラー!!ロラーロー!!」
すごい大声でけっこうなスピードだった。怒ってるみたいだった。からまれないよう
にしようとチャンクと暗黙で了解し合い、おじさんとは目を合わせなかった。
でも、そんなオレたちには目もくれず、おじさんは叫びながらあっという間にオレたち
を追い越して行った。他の通行人たちもオレたちと同じように何となくおじさんを
避けているのがわかった。でもおじさんは気にせず叫び続けていた。何て叫んでいる
のかよーく聞いてみた。
「レーリラーラー!ロラーロー!」
「元気ないなー!おまえもー!」
「元気ないなー!おまえもー!」
はっとした。おじさんは町の人たちを励ましていたんだ。そう思ったらなんだか
背筋が伸びて、元気のなかったオレとチャンクは少し元気になった。